本記事では、正社員として仕事をしながら公認会計士試験に合格する方法を記載します。
仕事をしている方は圧倒的に時間が足りません。そこで適切な戦略を立てたうえで、効率的な勉強方法が必要になります。また社会人だけでなく、時間のない学生さんにもお役に立つ内容になっております。
筆者は、ずっとIT業界で仕事をしており、過去に仕事をしながら公認会計士二次試験に合格しています。その時の実体験をもとに本記事は作成されております。
- 仕事をしながら公認会計士に合格するために必要な事
- 筆者の合格当時の仕事状況と勉強時間
- 長期的な戦略と適切なマイルストーンが必要
- 独学か専門学校に通うか?
- 論文式試験に合格するための戦略
- お薦めの勉強法
- 最後にご紹介
仕事をしながら公認会計士に合格するために必要な事
仕事をしながら公認会計士試験に合格するためには、
・合格するための戦略
・効率的な勉強法
・時間の捻出
・本業で体力を使わない
・モチベーションの継続
・家族の理解
など、様々な要素を複合的に組み合わせて戦略的に取り組む必要があります。
今後、継続的に情報を更新しますので、皆様のお役に立てれば幸いです。
筆者の合格当時の仕事状況と勉強時間
当時は正社員として、中堅IT企業に勤めながら
9:00~18:00(残業あり、土日・祝日休み)
で勤務しておりました。
その中で、平日は1日5時間を勉強時間に当てておりました。
- 行きの通勤1時間(電車)
- 昼休み1時何
- 帰りの通勤1時間(電車)
- 自宅に帰って2時間
だいたいこのような感じです。
休日も別に趣味があったので、1日5時間程度でした。朝6時から昼12時まで勉強することが多かったです。
簿記3級から初めて合格まで5年かかりましたが、毎日このスケジュールを継続していたわけでなく、モチベーションが下がって数カ月全くやらないこともありました。
ただし、会社の飲み会など会社の付き合いは、できるだけ全部断っていました。
長期的な戦略と適切なマイルストーンが必要
マイルストーン設定が必要な理由
公認会計士試験に合格するためには長丁場になります。全くのゼロから始めて、順調に進んでも5年はかかるかと思います。
その間ずっと公認会計士試験の合格だけ目指して勉強し続けるのは、気力・体力ともに非常に困難です。
そこで適切なマイルストーンの設定が必要です。マイルストーンを設定し、まずは当面の目標をクリアする事だけを目指して勉強する。それを繰り返した結果、気づいたら公認会計士試験に合格。この様な進め方が理想です。
お薦めのマイルストーン
筆者のお薦めのマイルストーンは以下の通りです。
1年目~2年目:日商簿記1級を合格
3年目:公認会計士(短答式試験)を合格
4年目~5年目:公認会計士(論文式試験)を合格
それでは順に説明します。
1年目~2年目:日商簿記1級を合格
公認会計士試験に合格できるかどうかの最初の判定基準は、日商簿記1級に合格できるかどうかです。
日商簿記1級に合格できれば、公認会計士試験の合格へ半分は近づいたと言えますし、もし合格できなければ、おそらくは難しいでしょう。
なぜなら日商簿記1級は公認会計士試験の会計学の80%は網羅しているからです。
日商簿記1級は難関資格に位置付けられていて、合格率が10%程度です。しかも公認会計士試験の受験生が大量に受験しますので、それだけ狭き門となります。
筆者は独学で合格しましたが、できれば通信の専門学校に通う事をお薦めします。もし独学で学ばれる方は、簿記1級のテキストだけでなく、公認会計士試験の会計学のテキストを利用することをお薦めします。
ちなみに日商簿記2級、3級はこの解説から割愛しました。理由は簡単すぎるからです。1級は2級の10倍程度の難しさと言われており、2級に合格したかどうかは1級に合格できるかどうかの判断基準にはなりません。
筆者も2級が不合格だった後に、そのまま1級を受験して合格しています。
3年目:公認会計士(短答式試験)を合格
簿記1級に合格したら次は短答式試験です。
簿記1級に合格できれば、財務会計論、管理会計論は概ね問題ないと思われます。残りの企業法と監査論を新たに勉強しつつ合格を目指してください。
短答式はマークシートですので運の要素も多分にあると思います。合格率は20%程度なので、十分に合格はできる試験かと思います。
ちなみに合格できれば、この年に論文式試験を受験すると思いますが、ここでは1発合格は狙わずに、来年以降を見据えたお試し受験の感覚で良いかと思います。
4年目~5年目:公認会計士(論文式試験)を合格
4年目か5年目で論文式試験の合格を目指します。合格率は40%程度、偏差値にして52以上で合格できますので、3回受けたら1回は受かる計算になります。
しっかりと勉強すれば、仕事をしながらでも十分に合格することが可能な試験となっております。
独学か専門学校に通うか?
公認会計士試験を独学で合格することは不可能です。専門学校に通う事を強くお勧めします。できればメジャーな専門学校が良いです。なぜなら詳細は後述しますが、メジャーな学校は人数が多いため、定期的なテストで自分の現在の立ち位置が分かり易いからです。
社会人の方は通学は無理だと思いますので、通信教育で十分です。
なお社会人経験の長さにもよりますが、社会人の方は「教育訓練給付金制度」というのを受けられます。こちらで資金補助を受けられますので、金銭面での負担は下げられます。
論文式試験に合格するための戦略
論文式試験は、科目が6科目ありますが、6科目の平均で偏差値が52以上で合格できます。そこで以下の戦略がお薦めです。
偏差値60以上を取れる得意科目を2科目作ろう
受験生も人間ですのでそれぞれ得意・不得意な科目があるかと思います。そこで全科目で平均よりちょっと上を狙うのではなく、得意科目を2科目作って、その科目で偏差値60以上を狙う事をお薦めします。
それでしたら他の科目は偏差値50、もしくは、それより少し低くても合格できます。
筆者の場合は、会計学と企業法が得意でしたので、合格時の科目別偏差値は以下のような感じでした。
・会計学:62
・企業法:60
・監査論:49
・経営学50
・租税法:41
租税法に至っては、足切りぎりぎりの壊滅的な偏差値でしたが、会計学と企業法の高さに救われて合格しました。
科目合格はお薦めしない
なお仮に不合格だった場合でも、得意科目については科目合格できるかもしれません。ですが、上記の理由から科目合格はお薦めしません。
科目合格してしまうと、来年度の試験で、全科目の平均を上げる科目が無くなり、全体で見ると不利になってしまうからです。
今年、得意だった科目は来年度も得意なままですが、今年苦手だった科目は、来年度も苦手だと考えられます。また苦手な科目については、勉強量を増やしたところで苦手なままだと考えられます。
お薦めの勉強法
ここからは筆者が実践していたお薦めの勉強法を記載します。
常に専門学校の定期テストで良い順位を取ることを目指して勉強する
専門学校では、毎週科目ごとの定期テストが実施されます。そのテストでは、テスト受験者の中で順位と偏差値が発表されます。
そこで、常にその定期テストで良い順位を取ることを目的に勉強することがお薦めです。
理由としては、直近の目標が明確になるので勉強しやすいことと、良い順位が取れればモチベーションが継続できるからです。筆者の場合は、このテストで順位が発表されるのが学生みたいで楽しくて、ゲーム感覚で勉強を続けることができました。
また、テストを受ける人数の母数が大きければ大きいほど、このテストの成績が本番の成績に近くなっていきます。ですので、専門学校は、大規模かつメジャーなところがお薦めです。
すごく単純化していうと、この定期テストで毎回偏差値52以上が取れれば、論文式試験はそのまま合格できるという理屈です。
通信教育の講義動画は見ない。問題集中心で勉強する。
社会人の方は時間が限られているので、通信教育の場合でも講義動画は見ないことをお薦めします。講義動画を見てしまうと1本あたり90分は時間を取られてしまい、全ての動画を見るだけで時間が無くなります。
そこでどのように勉強するかというと、問題集中心にアウトプット重視の勉強を行います。とはいってもいきなりは解けないので、そこはテキストを読んで理解します。通常はこれで十分理解できます。
テキストを読んでもどうしてもわからない場合、もしくは最初の1回目のガイダンス的な動画のみ見るようにしましょう。
たまに講義動画の中で、講師の方が重要な情報を話こともありますが、そこはレジュメや定期試験で補完してください。
それでも拾えない情報がもしあれば諦めるしかないです。そのために全ての動画を見るのは非効率なので。
最後にご紹介
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