本記事ではフリーランスが感じる孤独と、その孤独感を乗り越える方法について考察します。実はフリーランスが孤独を感じるのは当たり前の事なのです。
筆者はフリーランスとして独立して1年目で孤独感に耐えられず、正社員に戻った経験があります。ですが結局、再度フリーランスに戻り現在に至ります。現在では孤独感を感じることはなくなり、むしろ孤独であり何からも束縛されないことを快適と感じるようになりました。
このような筆者の実体験をもとにこの記事を記載します。
フリーランスが孤独感を感じるのは当たり前
今までの環境からがらりと変わるので、誰でも孤独感に陥る
フリーランスが独立して、しばらくは孤独感を感じるのは当たり前のことです。ほぼ誰でもそうだと思います。
なぜなら、日本で生まれ育った多くの人にとっては、いかなる組織にも属さず完全に孤立している状態というのは、赤ちゃんのときを除いて、ほぼ初めての経験だからです。
それがフリーランスとして独立して、急にどの組織にも属さない状態となり、何十年と過ごしてきた環境ががらりと変わって孤独感を感じない、というのは多くの人にとって無理だと思います。
特に社会人経験が長い人ほどギャップが大きい
その中でも社会人として、正社員の経験が長い人は特に孤独感を感じるでしょう。最初は解放感から嬉しさがあるかもしれませんが、その感覚もすぐに薄れて、徐々に孤独感に苛まれることになります。
筆者も子供の時から正社員時代を合わせて、約40年間、何かしらの組織に属していました。会社員時代は、会社の飲み会にもイベントにも参加しない反抗的な人間でしたが、それでも独立した後に孤独感に陥りました。反抗する対象すらない本当の孤立というのを初めて経験したからです。
そもそも人間は根源的に孤独を恐れる本能を持っている
昔は孤独を恐れて集団でいる人の方が生存確率が高かった
そもそも人間というのは根源的に孤独を恐れるものです。なぜなら過去に遡ると、孤立している人より、集団でいる人の方が、生き延びる確率が高かったためです。生き延びるためにも本能的に孤独を恐れる脳に進化したものが、現代人にも引き継がれているのだと思います。
人間は孤独になるくらいなら自由を放棄する
人間の歴史は、束縛からの解放の歴史といえるかもしれません。人間は多大な犠牲を払って、様々な束縛から解放されてきました。たとえば絶対王政や社会的身分や教会や宗教などです。
そうして自由になった人間はどうなったか。自由というのは言い換えれば、社会のしがらみを絶ち孤独になることです。孤独になった人間はせっかく苦労して手に入れた自由を自ら放棄し、様々な如何わしい集団に帰属することを自ら求めました。
この辺りの話は、エーリッヒ・フロムの「自由からの逃走」でファシズムを例に詳細に分析されています。またこのブログでも紹介したいと思います。
いずれにしろ、人間というのはそれほど孤独を恐れる生き物なのです。
孤独を恐れる=承認欲求を満たせないこと
現代の日本では、孤独になっても基本的に死ぬことはありません。では、現代人はなぜそれほど孤独を恐れるのでしょうか。それは言い換えると、承認欲求を満たせないことに尽きると思います。
承認欲求の満たし方は人それぞれですが、多くの人は他者の役に立つことにより、承認欲求を満たしているのではないでしょうか。それは会社であれば、上司や同僚の役に立ったり、高い評価をされたりすることで、承認欲求が満たされていきます。
極端にいうとフリーランスになるとこれがなくなるのです。良い仕事をしても誰にも褒めてもらえない、目に見える形で誰からも評価してもらえない。
この欲求はいくら収入を多くいただけても満たせないものなのです。
筆者もフリーランスとして独立して大幅に収入は増えました。それでも一人で仕事をして、誰にも褒めてもらえない、評価されないということに耐えきれず、正社員に戻ったという経緯があります。
孤独感をどのように克服するか
孤独感に負けて正社員に戻るのは絶対にダメ。
まず最初にお伝えしたいのは、孤独感というのはいつかは必ず克服できるという事です。孤独感に耐えきれず、正社員に戻ることは絶対にお勧めできません。
フリーランスから正社員へ戻ることの弊害は、筆者の実体験をもとにした以下の記事を参考にしてください。↓↓↓
孤独感に耐えられず、フリーランスから正社員に転職しました
一番大事なのは慣れ。時間が解決してくれる。
結局、一番大事なのは孤独に慣れることです。十数年、何かしらの組織に属していた人間がいきなり孤立した環境へ変われば、孤独感を感じるのは当たり前のことです。しかし人間はどんな環境へも慣れることができる恐るべき生き物です。
私の感覚ですが、一年間耐えることが出来れば、孤独感は大きく薄れてくると思います。孤独感は一時的なものと考えて、とにかく耐えてください。
承認欲求は自分で満たす。他人で満たさない。
承認欲求を満たすためには、自分で承認欲求を満たせる人(自己承認)と他人に承認欲求を満たしてもらう人(他者承認)の大きく2つのパターンの人がいます。(日本人は圧倒的に他者承認パターンの人が多いみたいです。)
継続的にフリーランスとして活動するためには、できるだけ他者承認からは離れて、自分で自分を承認できるような人間になることが大切です。
ですが、これは言葉で言うほど簡単なことではありません。先天的な遺伝や、子供の時に育ってきた環境によって大きく左右されます。(一般的には、子供の時にありのままの自分を受け入れてくれた親の元で育つと、自己承認欲求が育つと言われています。)
ですので、まずは自分自身を認識することから始めましょう。他者承認型の人は、いつも他人の事ばかり考えているので、案外、自分自身のことを分かっていないものです。
自分はどういったときに幸せを感じるのか、リラックスできるのか、何にストレスを感じるのか、自分の身体や感覚に対するセンサーを高めていくことが重要になります。
あとは自分自身を否定しないことが重要です。うまくいかないことがあっても、自分だけは自分を肯定してあげましょう。ありのままを受け入れることが重要です。
とはいっても完全な孤独には耐えられない。積極的に共同体に参画する。
とはいっても人間は完全な孤立には耐えられない生き物です。ですので、仕事以外の趣味など何かしらの共同体に参画することをお勧めします。
ですがこれはバランスが難しいのです。世の中には人間が孤独に耐えられないことを熟知していて、そこに付け込んで巧みに勧誘してくるような、悪徳な宗教団体や詐欺グループなどもあります。
こればかりはバランスが重要としか言えないですが、少しでもおかしいと違和感を感じたら、断固たる意志で共同体から離脱することも必要です。
筆者の場合ですと、行きつくところは最終的に家族です。家族がいるから他のつながりが無くても平気という感じです。そこは恵まれていると言えるのかもしれません。
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