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最近の若者論に40代のおじさんが共感!もしかしてこれって自分の事を言っている?

先生、どうか皆の前でほめないで下さい: いい子症候群の若者たち」という本を読みました。以前から、いわゆる最近の若者論に興味がありました。

その理由は、若者論をネット記事など様々なところで見かける機会が多かったのですが、これって筆者の事?という内容が多かったからです。

そんな中、この本のタイトルがまさにピッタリでした。即購入しました。

(ちなみに筆者は40代で、若者でも何でもない、ただの中年男性です)

読後の感想としては、最近の若者の特徴として筆者に当てはまるところが多くありましたが、そうでないところも一部ありました。おおよそ7:3くらいの割合です。

特徴が当てはまる部分は、時代がどうのこうのというよりも、個人的な生まれ持った性格に起因しているのではないか、と感じました。

一方、特徴が当てはまらない部分は、筆者が子供時代を過ごした30年前と、現代の社会の空気感の違いによって、特徴が大きく変化していると感じました。具体的には、若者の特徴を許容する社会と、ダメとする社会の違いによるのかなと思いました。

以下で詳細に記載していきます。

40代の筆者に共通する特徴は、過度に他人の目を気にするところ

このタイトルにある「先生、どうか皆の前でほめないで下さい」というこの気持ちは、筆者には非常によくわかります。筆者が子供の時もそうでした。とにかく目立つことが嫌いなのです。

目立つことにより他人の注目を浴びるという事が、不安で耐えられません。他人に自分を認識されて、どう思っているのだろうと想像しただけで、体の震えが止まらなくなります。

いわゆる「社交不安障害」というものに近いのかもしれません。

注目を浴びるという意味では、筆者はカフェやコンビニなどで個人として認識されると、次から行くのが嫌になります。今までマニュアル通りの対応だったのに、急に個人的な対応(たとえば、いつものですか?みたいなの)をされると凄く不安になります。

これは、個人として認識されることで、適切なリアクションを返さないと馬鹿にされるのではないか?という不安な気持ちが芽生えるためです。

他にも若者の特徴として書かれていた部分で、印象的だったのが次の箇所です。

教室に一番最初に入ったときに電気がついていなかったら、電気をつけずに暗い中そのまま座る、というところです。

この気持ちもすごくわかります。筆者も間違いなく電気をつけない派です。これは悪意でもなんでもなくて、電気がついていないことに対して、何か理由があるのではないか?(たとえば節電とか)と考えてしまい、電気をつけた結果、怒られるのではないかと想像してしまうためです。

怒られることに対して、過度の恐怖心を持っているというところも筆者と共通しています。

こういった特徴は、当事者である筆者の感覚で言うと、生まれながらに過度に人の視線を気にしてしまうという、個人の性格(個人の脳の構造)に起因する部分が多いように思えます。

少なくとも筆者の場合は、記憶がある3歳くらいの時から、周りに人が居ると、緊張してフリーズしてしまうタイプの子供でした。そしてフリーズした結果、大人に怒られて、さらにフリーズするようになるという悪循環でした。

一方、違うところは社会が時代によって変わった影響かも。

一方、40代筆者と全然違うところもあります。たとえば、「みんな平等にしてほいしい」「周りから浮いたらどうしようと常に考えている」などです。

筆者は非常に屈折した性格をしており、表立って目立つのは嫌ですが、一方、他の人と同じに扱われたくないという気持ちも非常に強いです。

ですので「みんな平等にしてほしい」という気持ちは理解できないです。というか、もう少し正確に言うと、子供の時はそう思っていましたが、大人になるにつれてそういった気持ちが無くなってきたというのが正しいです。

この若者との違いは、社会の違いによるものだと考えます。

筆者が子供のころや社会人になりたてのころ(30年から20年くらい前)は、ここでいう若者の特徴は「消極的」という一言で、悪い特性とされてきました

筆者も子供のころから、先生や周りの大人に寄ってたかって、君はダメな人間だ、もっと積極的になりなさいなど、性格を強制されるような言動を良く受けました。

社会人になっても、飲み会の場でしゃべらなかったり、上司にお酒を注がなかったりと、駄目な奴と認定されて、本当に嫌な気分でした。

この様に常に周囲からダメな人扱いされたおかげで、気づいたころには、自分は人とは違う人間なんだという気持ちと、反骨心というか人間嫌いの感情が定着しました。

一方、今の若者は仮に筆者と同じような性格でも、面と向かってダメな奴扱いされることはないと思います。特に上記の飲み会の上司の発言なんて、今やったらパワハラで一発退場です。

若者の「みんな平等にしてほしい」という感覚は、生まれながらの性格が、周囲の環境によって捻じ曲げられずに、素直に育った結果なのかなと思います

これは本当にうらやましいと思います。筆者も今の時代に生まれたかったというのが率直な感想です。

仕事の視点で見ると今の若者も昔の若者もあまり変わらない

筆者は仕事上、社会人になりたての新入社員や、2から3年目の若手の方と一緒に仕事をする機会も多いですが、結論をいうと人それぞれです。

これはIT業界という仕事上の特性があるからかもしれませんが、

若手の方でもめちゃくちゃ頭が良くて優秀な人、積極的な頑張り屋さんの人、この本の通り受け身で言われた事しかやらないけど地頭の良い人がいます。一方、シンプルに地頭が悪くて仕事ができない若手もいます。

これは最近の者だからというよりも、10年前も20年前も同じでした。できる人はできるし、できない人はできない、仕事には向き不向きがある、これは残酷な真実です。

この本は、総体としてみると面白かったですが、結局、個々の仕事では、個人個人にフォーカスを当てて、コミュニケーションを取っていくしかないのではないかと思いました。

またこれも今も昔も変わりませんが、個々人の性格ではなく、仕事における成果とスキルを中心とした論理的なコミュニケーションが必要だと考えます。

逆に、最近の若者という色眼鏡をかけて若者に寄り添おうとすると、そのような姿勢はすぐに見透かされて、嫌な奴と若者から思われるのではないかと思いました。