現役ITコンサルタントがIT業界で頑張る人を応援します!

転職・就職・キャリア・フリーランス活動の情報源

会社に依存することはリスクでしかないのか?フリーランスの立場から会社員で働くことに対する考察

本記事では、多くの人が会社員(正社員)として働いている現状において、なぜ会社員として働くのか?敢えて(フリーランスではなく)正社員であることを望むのか?というその理由を、フリーランスの立場である筆者の目線で整理してみたいと思います。

筆者はIT業界で転職を繰り返しながら20年ほど正社員として働いた後に、フリーランスとして独立して3年目の40代です。フリーランスの立場になってみて、正社員として会社のために働くとは一体どういうことなのか?ということについて改めて考えてみました。

※本記事は長いので面倒な方は赤字の部分だけ読んでください。

これからの時代を安心して自由に生き抜くためには個人のスキルが重要

先に筆者の立場を伝えしておきますと、筆者は、これからの時代を安心して自由に生き抜くためには、会社に依存しない個人のスキルが重要だと考えています。

その理由は、過去と違って現在では、企業に就職したら定年まで会社が社員の面倒を見てくれるという時代ではなくなったからです。最近では大企業であっても潰れることは普通にありますし、人員削減という名目でリストラされることも普通です。一生、同じ企業に勤められる確率は相当低いのではないでしょうか。

企業に頼れない時代なのであれば自分で自分を支えていくしかない。そう考えると何よりも重要なのは、会社に依存しなくても稼げる個人のスキルを身に着けることだと考えます。

ではどのように個人のスキルを身に着けるのか。個人のスキルを身に着けるには、正社員として企業に勤めて、その中で成果を出しつつスキルアップしていくことです。

大事なのは、会社員として働くときにどういった心構えを持つかです。会社員として働きながらも、主体的な個人の目的を達成するために普段の仕事に取り組みつつ、会社に対しても成果で貢献していく。そういった働き方が重要だと考えております。

その結果、個人として稼げる十分なスキルが身に就いたら、正社員でもフリーランスでも自分のやりたいように自由に働けばよいのです。

なんとか正社員として就職したけど、仕事が嫌でしょうがない。本当は辞めたくて仕方がないけど、生活のために耐え忍んでいるというニュースも聞いたりしますが、それはあまりにももったいない気がします。

せっかく企業で働ける機会を頂けたのですから、生活のためにお金を稼ぐだけでなく、将来的に個人で稼げるスキルを身に着けるという主体的な目標をもって、企業を利用するくらいの気持ちで日々の仕事に取り組んでいくのがよいのではと思います。

正社員として会社で働く場合のいくつか考え方のパターン

ここからは正社員として働く場合のいくつかの考え方のパターンを列挙していきます。なお筆者の完全な主観に基づいて記載しており、かつ、どれが良い悪いとかの話ではない、という事はご承知おきください。

最終的には、個々人が自分が最も幸せだと感じられる働き方が一番だと思います。

会社員として働くことが世の中の常識だと思い込んでいる

世の中の常識として社会にでたら会社員として働くことが当たり前だと思い込んでいるパターンです。食事や睡眠と同じレベルで当たり前だと思っているので、会社員として働くことを何も変だとは感じていません。

人によっては、会社員以外の働き方をする人を、社会から脱落した人、人生に失敗した人、負け組と考えたりする、それくらい思い込みと勘違いの激しい人も居ます。

ですがよくよく考えると、働くことと納税することは国民の義務ですが、その方法として会社員になるべきだとは国は言っていません。働き方においてもフリーランスや経営者になるなど色々な形があります。

会社員で働くべきだというのは結局は個々人の思い込みでしかないか、もしくは他に選択肢があることを知らないだけなのです。

ではなぜ会社員として働くことが当たり前になっているか。それは親や世間の擦り込みにより、会社員として働けば(できれば一流企業に就職できれば)一定の収入を永続的に得られるという、お金に対する安心感があるという幻想に囚われているからでしょう。

(恐るべきことに)今の世の中にあっても、会社員として企業に就職しておけば、死ぬまでお金の面で安心できると思っている人がいます。中には一流の大学を出て一流の企業に就職すれば、それで勝ち組だと考えている人もいたりします。本当のスタートは就職してからなのですが。。。

ですが昨今どんな大企業であっても突然潰れたり、リストラしたりします。会社員として就職しても、会社が定年まで面倒を見てくれる保証などないのです。会社は困ったらあっさりと社員を見捨てます。その時に、今までどれだけ自分の時間を犠牲にしてきたか、会社に捧げてきたかなどは考慮されません。

会社に尽くすだけ尽くして、何十年も働かされた挙句に、個人として外部で通用するスキルがない状態で、会社から見捨てられたらどうなるか容易に想像がつくのではないでしょうか。

そろそろこの当たり前の価値観を見直す時期にきているのではないかと個人的には思ったりもします。

また、昨今ではリスキリングなどの言葉も流行っていますが、はっきりって40代50代になってくるとほぼ手遅れです

筆者も40代なのでよくわかりますが、明らかに若い時よりも体力も気力も低下しています。体の様々な部分に不調が出てきますし、大きな病気になる可能性も年々高まってきています。

代のころから個人として将来稼げるスキルを身に着けることを意識しながら仕事をしていくことが大事です。

会社や社長を信奉し自分を捧げることに生きがいを感じている

会社や社長を信奉しそれに対して自分を捧げることに生きがいを感じているパターンです。こう書くと極端なように見えて、そんな人は、ほとんどいないんじゃないかと思えますが、どのような人も多かれ少なかれこのような側面は持っているのではないかと思います。ここでは具体例を2つあげます。

企業の成長や企業内で設定された個人目標を達成することに喜びを感じる

1つ目は、企業の成長や企業内で設定された個人目標を達成することに喜びを感じるケースです。

よくよく考えると、企業の売上が上がって会社が成長しようが、企業内で設定された個人目標を達成しようが、本来的な自分(会社から離れた個人)とは何も関係はありません。企業が成長して喜ぶのは、株主か個人経営の社長くらいです。

社員からの立場からすると、多少は給与に反映されるかもしれませんし、昇進するかもしれませんし、承認欲求は満たされるかもしれませんし、一緒に働く仲間との一体感を感じられるかもしれませんが、それはあくまで会社内での話であって、本来的な自分(会社から離れた個人)とは関係のない事です。

仮に個人の力で、多額の収益をもたらす貢献をしたとしても、還元されるのは給与という形でのごく一部です。その多くは会社に持っていかれます。

ですが、なぜか人はそのような状況を当たり前だと思い、そこに喜びや達成感を感じてしまいます

それはもしかしたら「やりがい搾取」という形で企業にうまく操作されている可能性もあるかもしれませんが、それでも喜びや達成感を感じられる手段があるというのは、人生において大事なことです。

会社員としての自分がうまくいくことにより、会社から離れた個人としての自分も幸せになる。会社と個人のバランスをうまく取ることが可能であれば、総体的に人生の幸福度も高まるのではないかと思います。

個人の自分と会社員の自分をを同一化させることで幸福を感じる

2つ目は、個人としての自分を会社員としての自分と同一化させることで幸福を感じるケースです。たとえばプライベートにおいて自己紹介をする時に、勤め先の企業をアピールしてきてたりするような人のイメージです。

企業の権威をかりて自分を強く見せようとしているのかもしれませんし、もはや企業に勤めていない個人としての自分をうまく想像できないのかもしれません。

この様な人は人生において、会社員としての自分と本来的な自分(会社から離れた個人)が分け難く同一化しています。自分の価値観と幸せを会社に依存してしまい、会社で良いとされることを達成することが自分の人生だと考えています。会社から離れた個人としての自分は、仕事のための束の間の休息でしかなく、自分個人としての喜びや幸せを感じることが出来ないのです。

会社で良いとされる価値観とは、たとえば役職が高いと偉い、年収が高いと偉い、仕事ができたら偉い、一流企業に勤めていたら偉い、みたいな感じで、様々な価値観が世の中にはあるにも関わらず、一つの価値観に依存しています。

会社のために生きていくことが悪いわけではないです。人間は何かの価値観に依存すると楽に生きられますし、そこに達成感ややりがいを見出せるのであれば幸せなことだと思います。

ですが人生途中で死なない限り、一生、企業と同一化した自分を保ち続けるのは不可能です。どんなに運が良くても定年まで、場合によっては、もっと早いタイミングで個人としての自分と向き合う局面が必ず来ます。

いつかくる会社から離れたタイミングで、今まで依存していた価値観が無くなります。その時に変わりとなる価値観を見出せるかが重要になってくるかと思います。(筆者自身もこの答えを見いだせていません。)

企業と個人の価値観や目的が一致している

次は企業の価値観や目的と個人の価値観や目的が一致しているケースです。

例として2つ挙げますが、大切なのは、自分の目的を達成しつつ、企業の目的にも貢献してお互いwin-winとなる関係を目指すことです。自分の目的を最優先して、利己的に振る舞えというわけではないです。

自分のやりたいことを企業の力を借りて実現する

自分個人としてやりたいことはあるが、それが一人では実現できない場合に、企業の力を借りて実現するパターンです。その様な場合、通常は正社員として就職することになるかと思います。

注意しないといけないのはやりたいことを求めて正社員として就職した場合、何をやるかの決定権は企業側にあり、その業務命令はほぼ絶対であるということです

このような前提においては、実際に入社してみると当初やりたかったことが全然できない。聞いていた話と違うという事もよくあるかと思います。

たとえば転職活動において、自分のやりたいことができるからという理由で転職した場合、最初はやりたいことが実現できるかもしれませんが、いずれ(そのやりたいことが終わったタイミングで)当初想定していなかった(あまりやりたくない)仕事をしないといけない局面が出てきます。

最初はやりたい仕事ができるだけまだマシで、酷い企業に至っては、中途採用の人の忠誠心を試すために、敢えてやりたくない仕事をやらせるという企業もあったりします。

この際の選択肢としては、社員なのでと我慢して嫌々ながら仕事を引き受けるのか、早期に退職して他の企業で仕事を探すかという2つの選択肢が考えられます。

前者を選択する人は、やりたいことがありつつも、会社員としての安定を求めているのかなと思います。早期で退職するなどした場合、どうしても次の転職活動で不利になることは否めません。

仮に後者を選択するような人であれば、もはや正社員としてではなく、フリーランスとして独立する選択肢もあるかと思います。フリーランスであれば契約に基づいて仕事をするので、想定外の仕事をすることはないです

ですが難しいのは、ある程度の責任感と裁量をもって仕事をしたい場合、正社員でないとそのような仕事がないという現実もあります。フリーランスですとどうしても正社員の補助的な立場が多くなります(それはそれで気楽でいいという人も居るとは思いますが)。

やりたい仕事を求めて正社員として転職を繰り返した結果、転職回数が理由でいずれ採用されなくなるというジレンマがあります

筆者としては、正社員とかフリーランスとかの雇用形態の区別なく、やりたい仕事を自由に行き来できるような世の中が理想だと考えたりしていますが、現実はなかなか難しそうです

会社を個人のスキルアップの場と考えて仕事をする

こちらは個人として将来お金を稼げる高いスキルを身に着けるために、正社員としてスキルと経験を積んでいこうというパターンです。

成長とスキルアップを目的としているので、自分が経験したい仕事ができない、これ以上成長できないと感じるようであれば、転職を繰り返していきます

転職を繰り返すとありますが、あくまで所属している企業と十分に話し合うことを前提としております。個人として適切な主張をしたうえで、それが受け入れられないようであれば転職するという考え方です。

正社員とフリーランスをスキルアップという観点で比較した場合、正社員でないと経験できないことはたくさんあります。特に管理職やマネジメントやプロジェクトリーダーなど、ある程度の責任と裁量が必要となる経験は正社員でないと積めません

なぜならこのような経験は、個人が成長していく過程である程度の失敗を前提としており、企業の支えがなければ失敗をカバーできないからです。

仮にフリーランスの立場でチャレンジをして失敗すると、よくて契約終了、最悪の場合訴えられて無報酬ということもありえます。(そもそもこのようなチャレンジングな案件は受注できない可能性が高いですが)

注意しないといけないのは、会社側もボランティアで、失敗するリスクと引き換えに成長できるようなチャレンジングな仕事を社員に与えるわけではないということです。社員への高い期待とその成長を通じて、将来的には会社の利益に貢献してほしいと考えています。

ですので個人が主張したうえで引き受けた仕事は、苦しくても絶対に逃げ出さずに最後までやり通す覚悟が必要になります。最後までやり通して、その中で様々な試行錯誤や葛藤に対処していくことで、初めて成長していくことができると考えます。

最後にご紹介

IT・業界の転職・キャリア相談や仕事上における悩みなど
なんでも話を聞くサービスを行っております。

もし転職することに不安を抱えているようでしたらご利用ください。少しは心が楽になるかと思います。

よろしければお使いください。↓↓↓