筆者は現在2つのお客様を掛け持ちしており、それなりの高単価で仕事をしています。
やっている仕事内容はほぼ同じで、その内容は業務整理です。当記事では高単価なITフリーランスの仕事である業務整理について概要を記載いたします。
ITエンジニアで将来フリーランスとして単価の高い仕事に就きたいという人の参考になれば幸いです。
業務整理とは何をやる仕事なのか?
業務整理とは(SIerなどの開発ベンダ側ではなく)ユーザ側の立場で、以下の一連の流れを整理する人です。
- 現状業務/システムおよび課題の把握
- 課題に対する改善策の検討
- 改善後の業務フローおよびシステム機能一覧への落込み
その後これらの成果物をベースとしてRFPを作成し、ベンダへの見積依頼を行っていくという流れになります。
なぜ業務整理が必要なのか?
ではなぜユーザ企業での業務整理が求められているのでしょうか。筆者が参画している企業では、いつも同じパターンで業務整理が求められます。以下の流れです。
- ユーザ企業にて、ハードかアプリの保守切れなどの理由で、基幹システムを作り直す必要性が発生
- SIerに見積を依頼するものの、SIerは業務を熟知していないので、現行機能一覧ベース+αで見積を実施する
- SIerからの見積は想定以上の高額となる。お客様の立場からすると同じシステムを作り替えるだけでほとんど効果もないのに、これだけのお金をかける意味がなく予算が通らない
- ユーザ企業では費用を下げるために、業務改善含めた現状システム機能の精査+何かしらの業務効果を得るための検討が必要となる
- 自社では対応できる人材がいないので、外部に業務整理をできる人材を探し求める
- とはいえコンサル企業に頼むと高額なので、工数が0.5で一般的なプログラマやSEと単価が変わらない筆者に依頼が来る
実際に仕事はたくさんきていますが、これ以上は仕事は受けられないのでお断りしている状況です。
業務整理に必要なスキルは?
業務整理を行うためには以下の様々なスキルが必要となります
- 顧客業務の業務知識および現状システムを理解するためのスキル
- 課題に対する改善策を検討し、改善後の業務/システムイメージを考える力
- 考えたことを表現して関係者の合意形成を得るコミュニケーション力
- 改善後の業務をシステム機能一覧へ落とし込むためのシステム開発力
多くのITコンサルは、業務知識とコミュニケーション力は持っていてもシステム開発力に乏しい。そのため絵にかいた餅となってしまい、システム開発フェーズで炎上するということが多々あります。
逆に多くのSIerはシステム開発力はあっても、業務知識とコミュニケーション力に乏しい。そのためシステムは作れるけど、以前のシステムをほぼそのまま作り替えただけで、多くのお金をかけた割には効果がないということが多々あります。
そのためこれらの仕事を一人で実施できるスキルを持つ人は、価値が高く、案件も途切れることなく舞い込んでくるというのが現状です。
業務整理のいいところは?
業務整理と聞くと企業に常駐して頻繁な会話が必要そうですが、実際はそんなことは全然なく、ほぼ個人技です。筆者のイメージとしては小説家に近いです。
筆者が業務整理の仕事が好きなのは以下の理由です。
- 論理的思考が強く求められるのでプログラマ出身の筆者として得意分野
- 新しい業務やシステムを把握していく過程で知的好奇心を満たせる
- 改善案を提案してお客様に喜んでもらえるのが楽しい
- (週数回の会議を除いて)自分のペースで仕事ができる。時間の使い方も場所も自由
- (慣れれば)負荷を下げられるので複数案件の掛け持ちも可能。
- 会議用のパワポスライドをストーリーを考えながら作るのが楽しい
お勧めのキャリアプランは?
これらのスキルを身に着けるためのおすすめの筆者のプランとしては以下になります。
- 最初の5年は正社員として、プログラマとしてしっかりとしたプログラミングスキルを身に着ける。できればWebアプリ開発者がよい。就職する企業はスクラッチ開発ができるのであればどこでもいいです。
- 次の5年は正社員として、SEやPMの立場で、要件定義から設計・開発・テスト・リリースまでの一連のプロセスを自身で回せるようにする。一次請の仕事が経験できる大手SIerがよい。
- 以降の10年くらいは正社員として、コンサル会社でITコンサルとして、業務改善スキルやコミュニケーションスキルなどを身に着けていく。
- ITコンサル会社でこれ以上は出世できないと思ったタイミングでフリーランスとして独立