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経験の浅いITエンジニアがフリーランスとして独立しても将来は仕事がなくなる現実!?

本記事では、経験の浅いITエンジニアがフリーランスとして独立することの懸念点を記載します。

世の中では(正社員での経験を積まずに)最初からフリーランスのITエンジニアとして独立して活動することを進める風潮も見受けられますが、筆者としてはいかがなものかと思うところもありますので、その根拠を記載します。

漫然とフリーランスを続けていてもいつか仕事は無くなる

最初の数年間は正社員として就職した同世代より収入はいいかもしれないが。。。

最初に結論を書きますが、経験の浅いITエンジニアがフリーランスとして独立した場合、最初の数年間は、正社員として就職した同年代の人以上の収入を得られるかもしれませんが、そのまま漫然と活動していても長続きはしません。

経験が浅い状態で参画可能な案件となると、恐らくプログラマやテスタなど開発者として案件に参画することが多いと思われますので、そのような案件に従事するという前提で以降の話を進めます。

IT業界が慢性的な人手不足というのは半分本当で半分嘘

IT業界は慢性的な人手不足と言われていますが、これは半分本当で半分嘘です。たしかにPMなどのマネジメント業務や、構想/要件定義などのユーザとの折衝含めた上流工程を出来る人は圧倒的に不足しています。なのでここは事実です。

ですがプログラマやテスタなどの開発者が不足しているかというとそのような印象は受けません。なぜなら本当に不足していたら、案件の募集要項で年齢制限などないはずだからです。後述しますが、開発者としての案件には年齢制限があることがほとんどなのです。

その理由は、実はプログラマとしてのスキルを身に着けるのはそれほど難しくないということです。プログラマとしての適性が必要になるのは間違いないですが、適性のある人であれば、数カ月ほどの研修を受ければ一通りのスキルは身につき、実際の現場で通用します。

だからこそ、新卒からITエンジニアのフリーランスとして独立するというビジネスが成り立っており、毎年、次から次へと大量の若手がこの業界に参画してくるのです。

プログラマやテスタなどの開発者案件は年齢制限がある

プログラマやテスタなどの開発者案件は、若手が次から次へと業界に参画してくるので、募集要項に年齢制限があることがほとんどです。

実際に筆者が様々なエージェントの方から見聞きした情報ですと、40歳まで(よくて50歳まで)という条件が付与されている案件が8割くらいを締めています。

40歳以上の募集案件となると、構想や要件定義などのユーザ折衝を含めた上流フェーズ、もしくはPMやPMOなどマネジメント業務がほとんどです。

絶対に開発者としての案件が見つからないか?といわれるとそんなことはないと思いますが、選択肢の幅が大きく狭まるのは事実です。そうなると正社員よりも不自由な状況に置かれることになり、フリーランスとしてのメリットが享受できないのではないかと考えます。

フリーランスで上流工程やマネジメントスキルを身に着けるのは難しい

先に40歳以降でも上流フェーズやマネジメント業務であれば案件があると書きましたが、これらの案件を獲得するには自身にスキルと実績があることが大前提です。当たり前の話ですが。

ですがこのスキルと実績を身に着けることがフリーランスでは困難なのです。プログラミングなどの技術系スキルであれば独学で習得可能です。ですが対人間を相手とする上流工程やマネジメントは、どうしても(何度かの失敗の経験を前提とした)実地経験が必要になります。

そのうえで、フリーランスで開発者スキルしかない場合、上流工程やマネジメントの案件に参画することは難しいです。なぜなら企業から見れば、できるかどうかわからない不確かな人に依頼することはリスクでしかなく、かつ、その人を成長させるための義理も責任もないからです。普通に考えて、同じチャレンジをさせるのであれば自社の正社員にという流れになります。

そうならなためには、フリーランスとして独立する前に、しっかりと準備を整えてスキルアップしておくことが重要になります。フリーランスとして独立した時点で、それ以上のスキルアップは望めない、これまでの資産で仕事をするしかないと考えておいた方が無難です。

フリーランスとして独立しても困らないための準備の仕方

繰り返しになりますが、フリーランスとして独立した場合、若いうちは案件がたくさんあるかもしれませんが、40歳を超えてくると案件の選択肢がだんだんと減ってきます。そのためには20代、30代のうちにしっかりと準備をしておく必要があります。

筆者が考える準備の仕方としては以下の2つがあります。

正社員で経験を積んだ後に独立する。できれば管理職まで経験したい

フリーランスとして40歳以上で案件を獲得するためには、発注者側のPM/PLなどリーダークラスや管理職の方々への直接的な働きかけが重要となり、それらの方々をサポートしていくような立ち位置で仕事をする必要があります。

その様な仕事を獲得するためには、クライアント側が求めていること、困っていることなどを理解している必要がありますが、そのためには、自身が正社員でPMや管理職としての経験を積んでいることが一番です。

ですので筆者としては、本当は正社員として管理職の経験を積んだうえで、フリーランスとして独立することをお薦めします。

ですが、フリーランスとして独立を目指す方は、出世したりマネジメントしたりすることが嫌だからという理由の人も多くいらっしゃるかと思います。

ITエンジニア以外で収入を得る手段を見つける

フリーランスの最大のメリットは、自分の時間を確保しやすいことにあると筆者は考えております。ですので、フリーランスのITエンジニアとして低稼働(週3日など)で必要最低限の収入を確保しつつ、残った自由な時間を使って、将来へ向けての準備をするのがよいのではないでしょうか。たとえば、

  • 何かしらの事業を考える、
  • 他の業種の仕事を並行で試してみる
  • 支出を下げて生活する方法を試みる
  • 田舎暮らしを試みる
  • 趣味に全力投球してみる

など、敢えて普段の仕事とは違う事に多くの時間を使う事により、将来のプランを考えていくことが大事だと思います。

繰り返しになりますが、一番良くないのは、漫然とフリーランスとして正社員と同じタイムテーブル(平日5日、1日8時間勤務)で仕事をしてしまう事だと考えています。

経験が浅いフリーランスの負の側面

その他にも経験の浅い状態でフリーランスのITエンジニアとして活動する際の、負の側面をいくつか挙げてみたいと思います。

正社員より労働環境が悪い

経験の浅いフリーランスは何でも屋として扱われがちです。正社員の方が手が回らない、雑務で/細々していて/面倒な作業など、スキルアップに繋がらず、やりがいのない単純作業を多く振られがちです。

労働時間についても、プロジェクトによっては多大な残業を要求されます。私と同じプロジェクトに参画した若手のフリーランスの方も、長時間労働を強要されて、体調を崩す人を何人か見てきました。

※この点については、上記の通り、最初から低稼働の案件に参画することをお薦めします。稼働率100%の案件に参画して、倒れるまで使い倒されるというのが最悪のパターンです。

仮に業務上の問題が発生した際に、正社員であれば、人事に相談したり、プロジェクトを変えてもらったり、(最終手段として)傷病手当をもらいながら休職するなど、対応策はいくつかありますが、フリーランスは誰にも相談できません。

フリーランス独自の解決策として、嫌な案件であれば、契約終了にすればいいという考え方もありますが、あまりそれを繰り返していると、案件の選択肢が減ってきてしまいます。結果、収入のために嫌な案件にしがみつかざる得なくなり、正社員より不自由な立場に置かれるということも考えられます。

また案件を紹介してくれるエージェントは、そういったプロジェクト管理上の問題については、まずもって役に立ちません。愚痴や話くらいは聞いてくれるかもしれませんが、それだけです。

エージェントの多くの方はITの現場の仕事には精通しておらず、顧客のPMやPLと交渉して、こちらに有利な結果を引き出すという事はできない人がほとんどだからです。

成長できない

上記にも記載しましたが、経験の浅いフリーランスは何でも屋として扱われがちです。正社員の方が手が回らない、雑務で/細々していて/面倒な作業など、スキルアップに繋がらず、やりがいのない仕事を多く振られがちです。

なので自分の能力以上の仕事にチャレンジすることができず、成長できません。短期的に見れば問題ないかもしれません。(正社員の同年代の若手と比較しても収入は多いと思います)

ですが、長期的にみると、正社員として苦しみながらも上位のポジションにチャレンジしてきた人と、粛々とできるタスクを繰り返してきたフリーランスとではスキルに差がつくのは当然の事かと思います。

ここでいうスキルとは技術的なスキルの事ではなく、PMやPLやチームリーダーなどマネジメントや対人折衝的なスキルの事です。

言語などの技術的なスキルは書籍や研修などで個人で学ぶことは可能でしょう。ですがマネジメント的なスキルは書籍や研修のみで学ぶことは不可能です。何よりも実地での経験や感覚が重要になります。

結局は正社員でも同じではないか?

ここまでフリーランスの負の側面を述べてきましたが、これらのことは、漫然と正社員として過ごした場合は、結局は同じではないかと筆者は思います。

正社員であっても、会社が定年まで面倒を見てくれる保証はありません。いつどの大企業が潰れたり、リストラするかは全く予測ができません。

そして、漫然とスキルアップせずに(もしくは自社内でのみ通用するスキルしか身に着けていない場合に)正社員として数十年勤めてきた人が急に職を失う状況になった場合は、フリーランスより悪い状況に追い込まれる可能性が高いです。

そう考えると、結局は正社員とかフリーランスとかの働き方よりも、個人の意思(どうやって生きていくか、そのために何をすべきか)が何よりも大事になります。

最後にご紹介

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